上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消せます。
ご訪問ありがとうございます。ブログランキングに参加しています。皆様の応援が励みになっています。ここ→
を押すと一票投票頂けます。
[ --/--/-- --:-- ]
スポンサー広告 |
トラックバック(-) |
コメント(-)
円高に振れていた為替が、政府の市場介入によって、何とか2円以上円安に誘導が成功した。このコラムは金融政策について興味深い対比が紹介されているので、参考として引用しておくこととする。 白川日銀総裁の適格性を問う http://gendai.ismedia.jp/articles/-/1146 欧米では経済を動かすのは大統領ではなく、中央銀行総裁だ。だが、日本の白川方明(まさあき)日銀総裁は存在感がないばかりか、今回の円高にまったく無策だった。 先進国は現在、中央銀行の金融政策を極めて重要視しているが、当然それには理由がある。変動相場制においてマクロ経済効果は、財政政策より金融政策のほうが有効なのだ。 これは、マンデル=フレミング理論といって、99年にノーベル経済学賞をもらった由緒正しい理論だ。いまだに、景気対策というと、財政支出額を競っている日本は世界の笑いものである。 マンデル=フレミング理論は、大学の経済学上級コースで習うはずだ。しかし、日本のマスメディアに就職した学生はサボってばかりいたのか、景気対策の話題になると財政支出関連報道のオンパレードだ。 マンデル=フレミング理論を簡単に説明しよう。変動相場制の場合、国債発行による公共投資を行うと、市場のカネが国債発行によって減少するので金利が上がる。そのため円高になって輸出が減り、公共投資のプラス効果を相殺するのだ。 逆に金融緩和すると、市場のカネが増えるので金利が下がり、設備投資が増加するとともに、円安になることで輸出も増え、景気刺激になる。 こうした金融政策と金利の動きを知っていれば、金融政策の巧拙が通貨価格に影響を与える理屈もわかるだろう。 実際、この理屈通りのことが、この1ヵ月弱の間に日米を舞台に起こったのだ。8月10日、日米で同じ日に金融政策決定会合があった。米国 FRB(連邦準備制度理事会)は、米国内の景気刺激のために事実上の金融緩和措置を打ち出すが、日銀はまったく動かず、その結果、円高が進展した。今の円高は、日銀の無策の結果なのである。 当然、世論は日銀を責めた。9月6日、7日が次の金融政策決定会合の定例開催日だったが、8月30日に臨時の金融政策決定会合を開かざるを得なくなった。大失態である。10日に無策を決め込んだことが誤りだったと明白になったのだ。 ところが、30日の臨時会合で発表した金融緩和の内容が、これまたあまりに陳腐だった。それは、当日の為替レートの動きを見れば一目瞭然だ。前日の晩から昼12時近くまで、金融緩和期待から1円以上も円安に振れた。 ところが、日銀が金融政策を発表すると、とたんに円高に振れた。さらに、白川総裁が記者会見で「現在の国債買い入れ規模は最適であると判断している」と述べ、もう一段上の金融緩和を意味する長期国債の買い入れ増額に否定的であったことからさらに円高となり、午後は結局1円ほど円高となった。 日経平均株価の終値も翌31日には、円高の影響から年初来最安値をつけた。日銀の金融政策の効果は1日も持たなかったのだ。 白川総裁は本来は総裁になる人でなかったが、野党時代の民主党が日銀総裁の国会同意人事を何度も拒否し、消去法で誕生した経緯がある。 30日の記者会見で白川総裁は、10日の無策をミスとは認めなかった。しかもFRBの動きは金融緩和策ではないとの見解を示し、自らの無策を正当化した。これでは円高に苦しむ企業や人々は浮かばれない。 円高対策に政府関係者が頭を悩ましている最中の8月26日から、白川総裁は5日間の予定で米国に出張した。さすがに1日繰り上げて帰国したが、その危機意識にはかなり疑問が残る。 果たして、白川総裁は適任なのだろうか。
ご訪問ありがとうございます。ブログランキングに参加しています。皆様の応援が励みになっています。ここ→
を押すと一票投票頂けます。
今、NHKの番組でBOP(Basement of Pyramid)についてのフォーラムの放映をしている。とても興味深いビジネスモデルであると思う。 ただ、儲けを前提としないということには、あまり興味はないのだが、貧困層をマーケットとして物を売っていく発想は非常に興味深い仕組みだと考える。 こうしたビジネスモデルが日本発というのは、今の状況では難しいと思うけど、マレーシアを拠点に何かできないのか、可能性を探っている価値はあると考えている。 では、どんな商材、最終製品が、発展途上国の貧困層に受け入れられるのであろうか? 価格帯は? その他、色々と考えてみると、面白いのではないか、とあれこれと思いをめぐらせてみるのも面白いのではないか。。。。 http://www.blwisdom.com/word/key/100760.htmlBOPとは「Base of the Pyramid」の略。世界の所得別人口構成の中で、最も収入が低い所得層を指す言葉で、約40億人がここに該当すると言われる。BOPビジネスは、市場規模が約5兆ドルにも上ると言われるこの層をターゲットとしたビジネスのこと。直接的な利益の獲得を目的としないCSR活動の発展形とも言えるもので、企業の利益を追求しつつ、低所得者層の生活水準の向上に貢献できるWin-Winのビジネスモデルが求められる。低所得層にも購入可能な商品を販売して健康を増進したり、新たな雇用を生み出したりなど、すでに世界のさまざまな企業がBOPビジネスに参入しているが、日本は欧米諸国と比較して、具体的な取り組み事例が少ないのが現状。
ご訪問ありがとうございます。ブログランキングに参加しています。皆様の応援が励みになっています。ここ→
を押すと一票投票頂けます。
日本ってどうして、こう何もかも後手後手なんだろうね? そんなに、国内の権益を守るために、保護貿易を崩さないんだろう? 東南アジアは、もう一つにつながろうとしているというのに、 この遅れって、大きな国益の損失だと思います。 過去の負の遺産はあるにせよ、韓国と台湾とは早くFTAを結んで通商をより活発化させたほうがいいのにと思う今日この頃。 何だか、本当に日本ってヤバクナッテキタヨ〜〜 「FTA時代、日本出遅れ アジア本格化、輸出に悪影響も」朝日新聞サイトより引用 http://www.asahi.com/business/update/0829/TKY201008290190.html 自由貿易協定(FTA)を本格的に利用し始めたアジア各国に対し、締結する段階で出遅れた日本――。日本貿易振興機構(ジェトロ)がこのほどまとめた2010年版の世界貿易投資報告では、FTA時代に取り残される日本に警鐘を鳴らしている。 報告は今年、アジアが本格的なFTA運用の時代に入ると指摘した。東南アジア諸国連合(ASEAN)内の自由貿易地域(AFTA)では、最初にASEANに加盟したタイなど6カ国間でほぼすべての品目の関税が無税となり、この6カ国と中国、韓国間でも約9割の品目で関税が無税になっているためだ。 効果は表れている。タイ、マレーシアから輸出する際にFTAを利用した割合(再輸出の多いシンガポールを除く)をみると、05年の24.6%から09年には33.2%まで拡大。報告は「経済の一体化が進んでいる」としている。 世界の主要国・地域が、FTAを結んだ国・地域と行う貿易の割合(FTAカバー率、09年)を調査したところ、チリやメキシコが高かった。カバー率が高いほどFTAを利用した貿易が活発であることを示すが、日本は16.5%と低い。韓国も14.4%と低いが、すでに署名した米国や仮調印した欧州連合(EU)とのFTAがスタートすると、一気に35.6%に高まるという。 ジェトロ国際経済研究課の東野大課長は「FTAでの出遅れで日本企業の価格競争力が不利になり、日本の輸出にマイナスの影響を与える可能性がある。海外市場の活力を取り込むにはFTAの締結を急ぐ必要がある」という。
ご訪問ありがとうございます。ブログランキングに参加しています。皆様の応援が励みになっています。ここ→
を押すと一票投票頂けます。
マレーシアにダイソンの工場があったとは知らなかった。常に新しい発想で取り組む姿勢と発想、イギリス本国との距離感など、日本の製造業もダイソンから学ぶことは多いと思う。でも、日本の大手製造業は、多分、ここまで斬新な発想で事を進めることはないだろうな。まぁ、あっても実現するのはあと10年くらいかかることでしょう。 何をやるにしても、動きが重たい日本の企業はこのままだと、益々世界から取り残されそうな危機感を感じながら、この記事を読んだのでした。 http://gendai.ismedia.jp/articles/-/1003
さて、これまでダイソンの革新的な技術について述べてきたが、実は英国南部に位置するウィルトシャー州にあるダイソン本社では製品の製造を2000年より行っていない。 メイバン社のエントランス自動化された設備が整然と並ぶメイバン社内自動化された工程のなかに、人の目による検品が組み込まれている 前述のダイソン・デジタルモーターを生産するのは、シンガポールにあるメイバンという会社だ。 同社の研究開発チームリーダー、デュー・フェー・キック氏によれば、同ラインは2009年に生産開始し、年間82万個から最大時には125万個の生産を行っているそうだ。同工場の生産力は、16.4秒で組み立ててしまう。 ダイソンの説明では、ダイソン・デジタルモーターへの設備投資として300万ポンドを投じたようだ。このメイバン社はダイソン製品のエンジンを供給する重要な拠点となっている。 ダイソン・デジタルモーターはシンガポールで開発・生産されているが、そのほかの部品は隣国のマレーシアで生産されている。 その中核を占めるのがダイソン・マレーシアだ。同社とそれ以外の協力会社(サプライヤー)は、マレーシア最南端のジョホール州の州都ジョホールバルに位置し、シンガポールへは車を使って1時間内で行き来することが可能だ。 このジョホールバルには国際空港も完備され、自治体を挙げて世界中のハイテク企業進出を歓迎している。 ダイソン・マレーシアのシニアデザイン・マネージャー、ロス・バスコー氏によると、2002年、ダイソンは英国本社の役割を全世界市場のマーケティングと新しい製品アイデアを立案する"イノベーション・センター"として定めたという。 現在、新しい製品アイデアの考案から設計デザインまでを英国が行い、そこから先の製造に向けての全工程をマレーシアで行っている。 操業当初、現地のサプライヤーは1社のみで、約50名が働いていたそうだ。それから、サプライヤーの数は4社となり、社員数も500名まで増えた。そのうち、80%がデザイン・エンジニアとして働き、英国の本社からは30名〜40名が派遣されているという。 総面積12,000平米の敷地をもつダイソン・マレーシアを中心に地元サプライヤーを含めた"ダイソンの工場"は、2002年に50万台を、そして2008年には400万台と8倍の伸びで生産台数を増やしてきた。今後、ダイソン・マレーシアではさらに140名のエンジニア採用を予定しているという。 白衣を着たスタッフにはマレーシア人女性が多く見受けられるダイソン・マレーシアの女性スタッフたち ダイソン・マレーシア以外にジョホールバルでは、組立から出荷まで手がけるVSI社、外装などのアクセサリー類を受け持つAKA社がある。生産ラインはそれぞれサプライヤーが保有し、設備投資についてはダイソンが出資するといった提携を行っているようだ。 では、ダイソンが、このマレーシアを選んだ理由は何だろうか。 前出のバスコー氏によれば、英語によるコミュニケーションが容易である点(英国植民地時代の名残として公用語としての英語は根付いているようだ)、さらにエンジニアリングのスキルが高く、技術への理解が深いという二点を挙げていた。 また、英国で生産していた頃、マレーシアのサプライヤーの品質がもっとも高く、原材料も安価に調達できたため、最終的に同国への生産拠点移設に至ったようだ。 マレーシア・ダイソンの採用活動は、イギリス人、マレーシア人はもちろんのこと、お隣のシンガポール、フィリピン、中国からの採用者もいる。 筆者の印象として、ジョホールバルは、アジアのハブを担う国際都市シンガポールに近いという美点がさまざまな面で活きているように思える。コストを抑制しつつも、情報、物流、人材、金融の交差点に近接している利点ははかりしれないだろう。 ラピッドプロトタイピングが加速させるダイソン革命 1979年、創業したばかりのダイソンは研究施設や工場ももてず、ジェームズ・ダイソンが自宅でコツコツと試作品を手作りで生み出してきた。現在、試作や開発、テストの現場はマレーシアへと移ったわけだが、英国でアイデアが練られ、そのアイデアが実用に足るものかどうかをマレーシアでテストするといった環境が整った背景には、テクノロジーの進歩が欠かせない。 ハンディクリーナー試作機とダイソン・デジタルモーター それにはインターネットもさることながら、ラピッドプロトタイピングの存在が大きいだろう。 ラピッドプロトタイピングとは、開発後、最終的な製品に落とし込む前の性能やデザイン評価に用いられる試作品を早期に製作する方法で、旧来のように金型をつくる必要もなく、コストと開発期間の短縮を実現できる。 また、本国でデザインを行い、そのCAD(コンピュータ支援設計)データをインターネット経由で海外のR&D(研究開発)部門に届け、その部品が機能するかどうかのテストを行うといったことも実現可能になった。 このようなダイレクト・モデリングによって造形された試作品は、すでに完成しているパーツにあてはめて稼働試験が行えるなど、製造業者への恩恵ははかりしれない。 SLS技術による試作品。ナイロン樹脂を削りだして、完成品に限りなく近いプロトタイプを製作。そして、検証する ラピッドプロトタイピングの手法のひとつとして、ダイソンが用いているのはSLSやFDMである。 SLSとは、Selective Laser Sintering(選択型レーザー焼結法)の略であり、大雑把に説明すると、3Dデータを基にナイロン樹脂素材の塊を削りだし、製品の複雑なモデリングを容易にした方法だ。 また、FDMは、Fused Deposition Modeling(熱溶解積層造形)の略で、SLSがナイロン樹脂等の塊から削りだしていくのに対し、FDMは3Dデータをスライスし、それを樹脂等の原材を用いて造形を行う。 薄い一枚づつのスライスを堆積してパーツを試作するが、いずれもデジタルデータから直接試作品を製作する手法であり、ダイレクト・モデリングとも呼称され、21世紀のハードゥエア開発には欠かせないものとなっている。 マレーシア・ダイソンの施設内で、SLSによって削りだされたナイロン樹脂に着色した数々の試作モデルを見せてもらったが、シニア・デザイン・エンジニアのデニアン・リー氏もラピッドプロトタイピングの効果の高さを強調する。 同社の最新製品であるエアマルチプライヤーは、15倍の気流を発生させて空気を送り出すが、注意深く細部を観察すると、中央の円形に微妙な角度がついている。 リー氏曰く、エアマルチプライヤーにとって、その微妙な角度が肝心なのだとか。 流体動学のエキスパートが英国でデザインし、ダイレクト・モデリングが活用され、幾度となくその角度の調整を行ったようだ。 そして、筐体の周囲に小さな穴を空けることで騒音が低くなることなどが確認されたらしい。 製造から創造へ:ダイソンが向かう未来 発明家だった創業者のジェームズ・ダイソンが傍らに製造部門を置かず、はるか遠い外国にその拠点を移すということは、経営的に正しい判断だとしても、情熱的なひとりのエンジニアとして大決断であったことは想像に難しくない。 現在、ダイソンでは年間1千万台近い掃除機を市場に送り出すために、2400人の従業員が全世界で働いている。そのうち、350名がデザイン・エンジニアと呼ばれる職種に就く。今後、ダイソンはそのデザイン・エンジニアを700名に増やす計画だという。 はるか遠くに製造ラインが離れていても完璧にコントロールされていることは、ダイソン・マレーシアを見て理解できた。 しかし、私の疑問は、自身も熱狂的なエンジニアであるジェームズ・ダイソンが、今後、生産ラインをもたない英国本社をどう位置づけようとしているのかにある。そのヒントは、今年3月にジェームズ・ダイソンが英国政府に対し行った提言に見られるかもしれない。 ジェームズ・ダイソンの提言は「独創的技術立国・イギリス」というレポートにまとめられている。ここで、ダイソンは保守政党が行うキャンペーン「クリエイティブ・ブリテン」や「脱工業化」を批判している。そのような言葉は使うべきでなく、エンジニアリングや科学を中心に据えるべきであると彼は述べている。 そして、英国に内在する独創性を世界に提示し、ハイテク輸出国に戻すべきプランが、教育、ベンチャー投資ほか、多角的に提言されている。このなかで、ダイソンは、「頭脳力」が必要であると述べている。 製品をどこで創るかは重要ではなく(仮に英国で製造していなくとも)、その製品を生み出す頭脳とそれを尊重する文化を育て、英国を「産業国」に戻すことが政策の基盤になると彼は主張する。 ほかにも興味深い点として、ダイソンはテクノロジーとデザインの融合を提言している。そして、アイデアの背景には思想が必要である旨を念押ししているのだ。 これは昨今のiPhone、iPadの斬新なインターフェイスなどにも言えることだが、デザインの力、そして、そのデバイスがどのように人々の生活を変えていくのかの一貫した思想となりが感じられる。つまり、マーケティングからの発想ではなく、開発者からのメッセージが製品そのものなのだ。 すべてを賛美するわけではないが、いまトレンドセッターとなりえる企業にはそれらが自然と備わっているか、その重要性に気づいているといった印象を私はもつ。日本の製品は安価で質も高いのだが、性能がコモデティになってしまうと、突如、最初の輝きを失ってしまう。 そして、多くの技術が安価に手許に行き渡った国では、ユーザーは新たな価値を求めている。それに応えられる製品がいったいどれだけあるだろうか。 いま求めるべきは、モノ作りの源泉となる「イノベーションを起こす力」ではないかと思う。そして、それこそが文化をつくり、世の中を変えていく。 現在、モノづくりは全世界どこでもできるようになり、海外のサプライヤー企業はノウハウを長年に渡り蓄積し、国際市場において独自ブランドを築き、自らマーケティングを行うまでに成長した。 マレーシアが世界のハイテク企業から熱い視線を注がれているのは、同国政策の賜物でもある。そのようにして、「世界の工場」の座をめぐりアジアを中心に熾烈な競争が起きている。 では、「世界の頭脳」はどうか。「世界の工場」に対し、「世界の頭脳」はラインの手配師か、事務のみに陥ることはないだろうか。 基礎研究、開発部門があれば、即ち「世界の頭脳」と言えるのか? どのアイデアを製品化し、どう消費者にプレゼンするのか、またそれにふさわしいマーケティングとは何なのか、広告代理店や側近が作成した台本がなくとも、トップがすべて自分の言葉で語れるということがダイソンやアップルには共通している。 「世界の頭脳」を巡る闘いのなか、日本はどのようなプレイヤーを目指していくのか? そこで生き残るためには、企業の力だけではなく、政策も含めた大きなビジョンが必要だろう。回答はすぐに見つからない。 いまの日本企業がサイクロン技術を生み出したとしても、その製品はダイソン製品とは価格や見た目も違ったものになっただろう。しかし、私はダイソン製品が欲しい。なぜなら、ダイソン製品はリプレーサブル(代替可能)ではないからだ。ダイソンは、ダイソンにしかつくれないものを送り届けている。 現在はすべての部品や工程をアウトソースできるし、一部の工業製品はオープンソース化し、設計方法がネットに流通しているほどだ。 世界的に製造業のフラット化が進んでいる。そんななか、ハードメーカーに問われていることは、"どうやって作るか"よりも、"何を、なぜ作るのか"というもっと根源的なところではないか。 おそらく、グローバル化の荒波をくぐってきた百戦錬磨の日本企業は彼ら以上の設備投資を行っているだろうし、このレポートを読んでも特別な秘密をあらためて嗅ぎ取ることはないだろう。 なぜなら、学ぶべきものは工場のなかではなく、ジェームズ・ダイソンやエンジニアたちの胸のなかにあるのだろうから。
ご訪問ありがとうございます。ブログランキングに参加しています。皆様の応援が励みになっています。ここ→
を押すと一票投票頂けます。
昨今の閉塞した日本の景気の中、物作りの考え方の根本が問われていると思う。今までの日本型の物作りでは、今後世界では生き残れないと、マレーシアでの製造業各社を見ていて思っていたんだけど、このサイトで紹介されている、ダイソン、はとても興味深い物作りをしていると思う。 こちらのソニーで働いている友人が、今のソニーには盛田さん時代の斬新さと洗練さが一切なくなってつまらないと言っていたことを思い出しながら、この記事を読んでみた。 とにもかくにも、日本の物作りの光を消さないためにも、製造業そのものが発想と思想そのものを根本から変えていく必要に迫られていると感じるのであった。 業績が悪い結果、賃金カットが行われたにも関わらず、1億円以上の役員報酬を受け取っている創造業各社は、どこか間違っていると言ってもいいと思うのであった。先ほどのソニーの友人も、いくら頑張っても、インセンティブのない報酬体系では、働く意欲が失せると言っていたのを思い出す。 全く、どこか間違っていると思うのだが。。。 http://gendai.ismedia.jp/articles/-/995ダイソン流・家電革新 昨年に発表されて話題となった"羽のない扇風機"、ダイソン・エアマルチプライアーをご存知だろうか? 先行発売中のデスクトップ型に加えて、今年の6月にはフロア型、タワー型が発表された。 羽と決別。扇風機の革命になるか? 気流を発生させて送風を行うダイソン・エアマルチプライヤー その佇まいは、私たちが長らくイメージしていた「扇風機」の姿を覆すものだ。円形のなかにはおなじみの羽はなく、腕を伸ばせば反対側に突き抜けてしまう。 しかし、スィッチを入れると、その輪の正面から風が流れ、その風量は従来の扇風機に引けを取らない。上下角も調整できるし、首を左右に回しながら周囲に送風することも可能だ。 英国の企業ダイソンは、扇風機から羽を捨て去り、新たな扇風機を再発明してしまったのだ。 昨年、私が初めてエアマルチプライアーと対面したとき、これまでダイソンがつくってきた製品・つくらなかった製品〜日本未発売や開発を中断したものものを含めて〜を知っていたので、目の前の商品が"気流"を生み出す装置、つまり送風機かなにかであることを直感した。 最近、エアマルチプライアーのラインナップに加わったタワー型のAM02(左)とフロア型のAM03(右) しかし、それは気まぐれなプロトタイプかなにかで、まさか本気で発売しようと思っているとは考えていなかったのだが・・・。 いま、そのときの製品と同じタイプのものが、私の横で風を送り出しているが、作動していないときには、知らない人はそれを役立たずのアート作品だと思うようだ。 そして、それは羽のついた扇風機を追い出し、いつの間にか私の日常生活に溶け込んでしまっている。 ここで、エアマルチプライアーの送風の原理を大雑把に説明してみよう。 まず、同製品は大きく分けると円形の部分とその下の円筒状をした筐体(きょうたい)から成る。最初に筐体のなかに内蔵されたモーターによって、表面に空けられた無数の穴より空気が吸い込まれる。その後、吸気はモーターによって加速され、写真では見えないが上側の円形パーツの内側に1ミリほどの隙間があり、その隙間より吐き出されるのだ。 http://www.youtube.com/watch?v=fcnTIA9RWFI&feature=player_embedded そのときに空気は加速していて、今度は円形の内側の上にある微妙な傾斜の上を通過することで空気は円形の気流となる。 そして、負圧による吸引力を発生させ、今度は円形パーツの背面や周囲の空気をも巻き込むかたちで、吸い込んだときの15倍の風量となって送風されるのだ。 なぜ気流が周囲の空気を吸い込んだり、加速するのかは空力学(流体動学)の原理に依る。 長らく技術革新のなかった掃除機という分野でダイソンが行ったことを考えると、あの古風な扇風機にも魔法がかけられ、文字通りプロペラの双発機からジェット機か、それ以上の何かに変貌を遂げたかのようだ。 いずれこの輪こそが扇風機のスタンダードだと思えてくることがあるかもしれない。 さて、ここで私には疑問がもちあがる。いったいぜんたい、なぜダイソンは日本企業が得意だった分野に次々と勝負を挑んでくるのか(挑んでいるかどうかはわからないが、そう見えても不思議ではない)。 また、日本のメーカーは何をしているのかと。 以前、ある雑誌が「なぜ日本企業がアップルのiPhoneやiPadを送り出せなかったのだろうか」という特集を組んでいたが、実は、コンピューティングや通信といった最先端の分野のみならず、ハードウェアだけの世界で、しかも日本企業の十八番であるシロモノ家電においても同種の事態が起きているのではないかということだ。 コモデティの罠から脱出せよ ダイソン社は、それまで主流だった紙パック・フィルターを用いた掃除機に対し、紙パックを用いずにゴミを吸い取る掃除機を販売し、英国と欧州、米国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドにおける市場シェアで1位を占めている(2009年)。 家電王国とも言える競合がしのぎを削る日本市場でも12%のシェア率をもち(2010年)、プレミアム市場(4万円以上の掃除機)では2位、モデル別金額シェアでは同社のDC26 tubinehead completeは1位。ハンディクリーナーのDC31は同カテゴリーで40%のシェアを誇り、1位となっている(2010年)。 1998年、初めてダイソン・ブランドが日本上陸を果たしてから約12年。世界の家電製品市場のなかで、新興企業ダイソンの躍進は驚異的といえる。 おそらく、日本の家電メーカーはダイソン製品の高人気に焦っただろう。ダイソンは購入者に景品をつけたわけでも、お金にものを言わせた大量の宣伝キャンペーンを行ったわけでもなかった。 むしろ、日本市場では家電販売店や量販店とメーカーの結びつきが強く、後発の外資として苦戦を強いられてきたといっても過言ではない。しかし、それでも好成績をおさめた理由をもっとよく考えてみる必要があるだろう。 「良いものを安く」というのは日本のお家芸だったが、飛ぶように売れている頃は良いけれど、普及してしまったあとではコモデティ化が著しい。競合との激しい価格競争から抜け出せず、低い利益率のなかで悪戦苦闘せねばならない。 ダイソンの商品が日本市場でも定着しつつある背景には、「良い物だと思えたらなら、それが高くても買う」という消費者側の成熟があるのではないか。そして、ダイソンを今日の地位まで押し上げたのは、華麗なるマーケティング・テクニックよりも、むしろ使って満足を得たユーザーたちによる口コミ効果が大きいのではないか。 さて、そんなダイソン製品が掃除機の分野で遂げた革新について簡単に説明しておこう。多くの掃除機は紙パックやフィルターを使用し、ゴミが溜まったらその都度紙パックごと捨てる必要がある。そして、その紙パック方式は掃除機の発明からずっと不変だった。だが、ダイソンの創業者であるジェームズ・ダイソンは紙パックを無用のものにした。 http://www.youtube.com/watch?v=ziZpBjUy8Wc&feature=player_embedded 30年前にジェームズ・ダイソンは、製材工場が工場内の粉塵を吸引するための仕組みであるサイクロン(遠心分離型集塵機)を目撃。 彼はそれが家庭用掃除機に応用できないかと思いついた。目詰まりしやすく、交換しないと性能が落ちてしまう紙パック型掃除機に取って代わる掃除機を発明できないかと模索していた彼に天啓が降りた。 それから彼は5年の月日と5127台の試作機を経て、家庭用サイクロン型掃除機を製品化した。掃除機に用いられるサイクロンはダイソンの特許技術だ。 その掃除機は気流を使って起きる遠心力により埃とゴミを分離するため、紙パックを掃除機から追放することに成功し、いまではサイクロンという呼称も一般的なものになっている。 サイクロンは人工的に発生させた気流を使い、その気流の回転時にかかる遠心力(G)を用いてゴミを巻き込んでいく。その気流により最大150,000G の遠心力が発生し、前述したようにゴミと空気を遠心分離する。目に見えるゴミばかりではなく、花粉やダニの糞など極小の粉塵も取り除くことが可能だ。 http://www.youtube.com/watch?v=4RBo7ZlsHgU&feature=player_embedded 同社製品の大きな特徴として、強力な集塵性能に加え、吸引力が落ちないことが謳われている。 紙パック型の掃除機は紙にゴミが目一杯詰まると吸引力が落ちてしまうが、ダイソン社製品は遠心分離したゴミをクリアビンと呼ばれる筐体のなかに閉じ込めるためだ。 加えて、排気がきれいであるという点も同社製品のセールスポイントだ。これは紙パック型掃除機の宿命でもあるのだが、吸気が排出される際に紙パックのなかを通過するため、微小なゴミや溜まったゴミの匂いも排気に含んでしまう。しかし、サイクロンの場合には遠心分離でゴミをカートリッジ内に閉じ込めるため、排気に微小なゴミや匂いを持ち込まないというわけだ。 しかし、一般消費者の目を真っ先に引くのは、革新的な技術もさることながら、実はそのデザインではないだろうか。同社は控えめにしかアナウンスしていないが、そのデザインは工業デザインはかくあるべし、といった風情をもっている。 それはギミックのためのデザインではなく、機能を見せることで、ほかにはない唯一無二のものとなっているのだ。余談になるが、かつてアップル社のスティーブ・ジョブズは中身が透過するスケルトンタイプのiMacを発売したとき、ダイソン社製品を参考にしたという逸話がある。 カギは自社開発のモーターにあり ダイソンによる技術革新の代表例が、サイクロン技術であることはすでに述べたが、実はもうひとつ忘れてはならないのがダイソン・デジタルモーターの存在だろう。ダイソンが得意とする気流を駆使したソリューションには、それを発生させるためのモーターが欠かせない。そこにダイソン・マジックを解くもうひとつのカギがある。 これまでの家庭用電気モーターの基本原理は、電気の極を切り替えて磁界を発生させ、そのトルクを使ってモーターを回転させるというものだ。ただし、常に電気接触が必要となるため、接触する部分にカーボンブラシを用いているのが一般的だ。そして、そのカーボンブラシは接触によりカーボンダストという有害な微粒子を放出し、モーターそのものの寿命も限定してしまう。 ダイソン・デジタルモーターは、カーボンブラシを用いず、どこにも接触させないでモーターを回転させる。そのため、旧来の家庭用電気モーターに比べて2倍の耐久性を誇り、速度は最大で毎分約104,000回転、従来のものと比べ3倍の性能を有する。つまり、小型・軽量・パワフルという三拍子揃った最先端のモーターと言えよう。 ダイソンは、最先端の航空工学などを応用し、6年かけてこのモーターを開発した。モーターには診断ソフトウェアが組み込まれているので、履歴や使用状況ほかの情報が記録される。ダイソン・デジタルモーターの採用により、製品自体の軽量化と高効率化はもちろん、環境面も配慮した製品開発が容易になったのだ。 一般的に強いインパクトはないかもしれないが、こうしたユーザーから見えない部分に使われる素材や部品についても、ダイソンは革新の手綱を緩めない。 このダイソン・デジタルモーターについて、ダイソンのエンジニアたちに尋ねてみると、全員がこのモーターに対し一角ならぬ誇りをもっていることは明白だった。 第一世代のデジタル・モーター(開発コード名:X020)は日本専用モデルの小型掃除機DC12(写真上)に搭載された。それから、さらなる小型化を達成し、最新型のV2(社内呼称)は同社のハンディクリーナーDC31(写真下)に搭載されている。 日本では未発売だが、欧州では公共施設のトイレなどに導入されているハンドドライヤー「ダイソン・エアブレード」にもダイソン・デジタルモーターは搭載されている。ちなみに、このダイソン・エアブレードについて、筆者の使用感を述べよう。 ふだん、私たちが公共施設等で使用している製品は何度も手をこすり合わせたりしなくてはならないが、同製品は一瞬のうちに水分を吹き飛ばしてしまった。驚きである。日本未導入が惜しまれる製品だ。
ご訪問ありがとうございます。ブログランキングに参加しています。皆様の応援が励みになっています。ここ→
を押すと一票投票頂けます。
日本の財政の課題から、政府のあり方まで、とても興味深いやり取りが展開されている。今後の日本の経済の方向性を見出す上で、とても参考になる対談であると思う。 http://gendai.ismedia.jp/articles/-/1033田原 榊原さん、いま円の独歩高が続いていますね。ドルが安い、ユーロも安い、そして円だけが高い。これはどういうことですか? 榊原 これは世界同時不況の始まりなんです。 田原 え、また不況が始まるんですか。 日本の景気は夏以降、落ちる 榊原 ええ。ギリシャ危機によってヨーロッパ経済がおかしくなりましたね。実はアメリカもいったん回復した景気が腰折れしているようなんです。いま順調なのはアジアだけです。 さかきばら・えいすけ1941年生まれ。大蔵省財務官時代は為替・金融制度改革に手腕を発揮し「ミスター円」と呼ばれた。早稲田大学教授などを経て、現在は青山学院大教授。著書に『フレンチ・パラドックス』など多数 田原 でも、日本の経済が好調だとはとても思えないけど。 榊原 日本はまだ好調なほうですよ。1〜3月期の経済成長率が年率換算で約5%でしたし、続く4〜6月期もそこそこの成長率でしょう。だから円が強い。 田原 そうは言っても円高株安・・・これは景気にとって最悪じゃないですか。 榊原 そうですね。いまはまだ大丈夫ですが、まもなく為替市場や株式市場を通じて世界同時不況が日本にもやってきます。 田原 日銀や財務省は円高をこのまま放っておいていいんですか。榊原さんは大蔵省国際金融局長時代(1995年)に、為替介入して円高の是正に成功したじゃないですか。 榊原 当時はアメリカもドル安に懸念を持っていて、カウンターパートだったサマーズ財務副長官(当時)と私の考えが百パーセント一致したから円安誘導がうまくいった。 しかし、今回はガイトナー財務長官もNEC(国家経済会議)委員長になったサマーズも、本音ではドル安を歓迎していますから介入に抵抗しますよ。アメリカが賛成しない限り、介入したところで効き目はありません。 田原 すると、このまま円高が続くわけですね。そうなると、輸出産業にとっては大打撃だ。日本の景気はいつから落ちるんですか。 榊原 夏以降、落ちていくでしょう。まず為替がさらに高くなります。史上最高値79円75銭('95年4月)を年末までには更新するでしょうね。 円高が進めば、田原さんご指摘のように日本の景気を引っ張っている輸出産業は当然落ち込みますし、それに伴い設備投資も落ちることになります。 田原 いまはまだ景気が順調だと言っても、そんなのは東京、名古屋、大阪の大都市ぐらいで、実際には地方都市はすでに景気が悪くなっている。 榊原 そうですね。大企業だけでなく中小企業も中国に生産拠点を移転していますから、地方都市が空洞化してしまったんです。 田原 地方にしてみれば一向に景気が上向かないままさらに悪くなるなんて、どうすりゃいいんですか。 榊原 非常に難しい問題ですねえ。なにしろ日本と中国の経済が一体化しつつあるので・・・。 田原 経済が一体化? 榊原 日本の製品の多くが中国で生産されているでしょう。東アジア(日本・中国・韓国・ASEAN10ヵ国)もEUのように経済統合が進んでいるんです。EUの域内貿易比率は65%。東アジアは'90年の40%からいまや58%を占めるに至った。EUに近づいているんですよ。 田原 経済が一体化している中国は景気がいいのに、日本の景気は落ちてしまうんですか。 榊原 確かに日本はいま、中国の好景気に引っ張られていますが、中国はかなりバブル気味なんですよ。特に不動産がすごいことになっていて、上海も香港も地価が高騰し続けて、マンションなんかやたら高くなっている。 田原 '90年代の日本同様、バブルがいずれ弾けるということですね。 榊原 当局もこれ以上、不動産価格が上昇しないように金融を引き締め始めました。また、中国は輸出がGDPの40%前後を占めますから、欧米の景気が悪いとなれば輸出も悪化せざるを得ない。したがって、これから経済成長率は落ちてくるでしょう。 田原 中国はアメリカの圧力もあって人民元の切り上げに踏み切りましたね。これは経済にどんな影響がありますか? 榊原 まあ、本格的な変動相場になるにはまだ10年はかかるでしょう。円と同様、人民元も10年先には対ドルで2倍の価値になるかもしれませんが、当面は大きな影響はないでしょう。 財務省と学者にやられた 田原 次に消費税について伺います。民主党が参院選で惨敗を喫したのは、菅総理が消費税10%に言及したからだと言われています。ただ、日本の財政は国債発行残高、つまり国の借金が880兆円に上りGDP比189%。世界最悪です。一方で消費税率が5%というのは世界でもずば抜けて低い。その文脈で言えば、菅総理の消費税増税発言は当を得ていたわけですね。 榊原 そうですね。 田原 しかも、自民党だって消費税10%を主張していた。それなのに、どうしてあんな大敗を喫したんですかね。 榊原 世論調査をすれば、いずれは消費税を上げなくてはならないということに60%以上の人が賛成する。ただ、民主党のマニフェストでは、次の衆院選まで消費税は上げないと明言していた。 菅総理は「いずれは」という意味で増税に触れたんでしょうが、あの時期に言ったことで、実は次期衆院選前に上げるつもりなんだと有権者が勘ぐってしまった。約束を破ったと思われたわけでしょう。 田原 言うタイミングを間違えた? 榊原 口がすべっちゃったんでしょうね。 田原 榊原さんの後輩である財務官僚の振り付け通りに発言しちゃった? 榊原 その可能性は否定しません(笑)。菅総理は最近まで財務大臣だったから財務官僚とは非常に近い。財務省事務次官になった勝(栄二郎)君は、私の下で働いてもらったこともありますが、非常に優秀な官僚でね。彼も消費税の引き上げがいずれは必要になるということを、菅総理の耳に入れていたことでしょう。 田原 市民運動出身で官僚との縁は極めて薄かった人が財務大臣になった。こういう人は財務官僚にしてみれば言いくるめやすい? 榊原 いや、そういう言い方はどうかと思いますが、一生懸命に説明すると思います(笑)。 田原 財務官僚側に言わせれば、阪大教授(小野善康氏)の怪しい論理に乗っちゃったから、国民が反発したと言うんだけど・・・。 榊原 あるいはそうかもしれません。 田原 教授の説は、増税しても使い方を間違えなければ景気は良くなるということですね。これってにわかには信じがたい理屈なんですが、異端な説ですか。 榊原 いや、経済理論としては間違っていないんですよ。しかし、増税で集めたカネを百パーセント無駄なく運用するというのが前提で、それは神様の領域ですね。いずれにしても、総理という立場にいる以上、特定の経済学者にあまり依存しすぎるのは避けたほうがいいと思います。むしろ現場の言うことを聞くほうが有効な場合がしばしばありますからね。 3度目の世界大恐慌 田原 榊原さんも消費税の引き上げは必要だという立場ですよね? 榊原 いや、当面は引き上げなくていいんです。だって、日本は財政危機ではないから。 田原 え、財政危機じゃないの? 榊原 日本国債の95%は国内で買われているし、10年国債の金利が1%を切っている。これは先進国で最も低いんです。 田原 ああ、そこが財政危機のギリシャとは違う。ギリシャは70%が対外債務で金利も高い。 榊原 そうなんです。つまり、日本国債はまだ売れる。しかも、日本の家計の金融資産は1400兆円以上もあります。 田原 日本全体で1400兆円以上の預貯金があるということですね。 榊原 ローンなどの負債を引いてもまだ1100兆円超の資産がありますから、国債残高880兆円との差額はまだ200兆円以上ある。国債を消化できる余力はまだまだあるんです。 田原 もっと国債を発行しても大丈夫なんだ。 榊原 ぜーんぜん大丈夫。 田原 じゃあ、菅総理が選挙中に「このままでは日本がギリシャのようになってしまう」と熱弁を振るっていたけど、あれは言い過ぎですか。国民への脅し? 榊原 いや、このまま放置しておくと危機に陥るという認識は正しいんです。日本の貯蓄率はどんどん下がっていて、ついに3%を切りましたから、このまま金融資産と国債発行残高のギャップが縮んでいけば、10年先には危機に陥る。でも、当面は危機ではない。ここを峻別して考えなくてはいけません。 田原 さて、7月22日に来年度予算の概算要求基準が決まりました。景気はこの先どんどん悪化傾向だというのに、菅内閣は財政支出によって景気を刺激しようという積極予算を組むつもりはないようですね。 榊原 そうですね。きっと財務省に抑えられちゃったんだな(笑)。 田原 新聞各紙もたかだか1兆円超の特別枠(元気な日本復活特別枠)を、いったい何に使うつもりだと攻撃していますね。 榊原 新聞は積極財政に否定的なんですよ。でも、実際に予算を組む時期には景気が相当に悪化しているはずですから、思い切って積極財政を採用すべきだと思いますね。ノーベル賞学者のクルーグマンによると、1870年型の不況が来るということですから。 田原 1870年? 日本は明治維新のころですね。 榊原 そうです。近代、世界不況は2回ありました。ひとつは世界大恐慌(1929年)ですが、それ以前にも1870年にイギリスから始まった世界不況があるんです。大恐慌は株がドーンと暴落し、1870年のほうは緩やかに5年ぐらい続落していきました。 田原 不景気が長引くのは怖いですね。 榊原 怖いですよ。ヨーロッパはギリシャの前にもラトビアとハンガリーの経済が悪化し、2008年にIMF(国際通貨基金)が緊急融資しています。その後がギリシャで、今後スペイン、ポルトガルも経済危機が続きそうです。1870年型不況になる可能性は大いにある。 田原 でも、EUの大手銀行のストレステスト(健全性審査)の結果は、思ったほど悪くなかったんじゃないですか? 榊原 これってホントかねえという結果でね。ヨーロッパの金融機関はギリシャ国債を持っているわけですから、ギリシャが国家破綻に近い状況となれば、金融機関への公的資金の投入もあり得ると思いますよ。 田原 ギリシャはGDPが30兆円ぐらいですね。 榊原 そう、つまり小国なんです。だから危機を脱するためには、観光資源が豊富な島を売ればいい(笑)。 田原 確かに高く売れそうだ(笑)。でも、その小国の危機がスペインやイタリアなどの大国に拡大していったら本当に大変なことになりますね。一方で、榊原説によれば、アメリカ経済も腰折れだという。オバマ大統領は金融救済のために24兆円を投入し、これで危機は収まったと見られていたんですが・・・。 榊原 アメリカの金融システムは一度崩壊し、アメリカ経済も崩壊した。そこで24兆円の公的資金を入れ、いわば生命維持装置を付けたわけですが、それでも維持できなくなってきたのです。 住宅市場が立ち直らないし、従来アメリカの消費者はローンを組んで消費してきたわけですが、いまや消費をせずに借金を返し始めた。最近、アメリカの貯蓄率が上がっていますが、あれはローンを返し始めているに過ぎないんです。 田原 そうなんですか? 貯蓄率の上昇はアメリカが健全化した結果だと思っていました。 榊原 それは違うんですよ。返済で引き落とされるカネをいったん銀行に入れるので、統計上は貯蓄になってしまうわけです。 田原 アメリカ経済は持ち直しませんか。 榊原 持ち直すのは非常に難しいでしょう。ゴールドマン・サックスとモルガン・スタンレーをはじめとするインベストメントバンク(投資銀行)等が会社の合併や吸収を仕掛けたり、新しい証券を発行したりして、自己資本を30倍、50倍に拡大していった。 しかし、限界が訪れた。これがリーマン・ショックです。ジョージ・ソロスは「アメリカ型資本主義の崩壊」だと言っています。 内向きすぎるニッポン 田原 話は少しさかのぼりますが、日本では'96年の橋本内閣時代、長野厖士大蔵省証券局長が中心となって金融ビッグバンを進めましたね。東京株式市場をアジアのトップにするというのが目的だった。 榊原 私も長野局長と一緒にやったんですが、結果として東京はトップになっていません。上海、香港、シンガポールに負けています。日本にはアメリカ型のインベストメントバンクがありませんからね。 田原 日本の銀行はコマーシャルバンク(商業銀行)だから、アメリカ型の銀行経営者に比べて、呆れるほどリスクを取らない。 榊原 金融危機にあってはそれが幸いしたんですが、確かに保守的ですね。国内ばかり向いていて、中国にもインドにもあまり出て行かない。製造業が先に出て行って、銀行が後からついていくというのが日本の実情です。海外とは順序が逆なんです。 田原 このまま、世界で活躍できない金融機関でいいんですか。 榊原 もちろん、よくないですよ。みずほや三菱東京UFJのようなメガバンクこそ、楽天やユニクロのように公用語を英語にして、どんどん海外に、特に東アジアに出て行かなくてはいけないと思います。 田原 どうも日本全体が内向きになっていますね。 榊原 国が豊かになり国内市場が大きくなったので、国内だけで商売が成り立ってしまう。韓国は人口4800万しかないから国内だけで食っていけず、アグレッシブに海外に出て行かざるを得ない。いまの日本は、贅沢さえ言わなければ何とか生きていけるよ、というメンタリティになっているんです。 田原 GDPに占める輸出比率は韓国が50%、日本がわずか14.7%。日本は輸出立国だなんてウソですね。 榊原 だからもっと東アジアに進出しろと言いたい。国内市場は今後どんどん人口が減っていくんだから成長しようもありませんが、東アジアは逆にぐんぐん成長しています。 田原 榊原さんは菅さんのブレーンなんだから、内需拡大ばかり唱えている民主党にそうアドバイスすればいいのに。 ところで民主党は今後、予算編成や法案審議でかなり苦労することになりますね。国会のねじれ現象をどう見ますか。 榊原 自民党と政策協定したらいいんじゃないでしょうか。大連立にする必要はないけれど、いまの自民党は右寄りの人がみんな離党してしまい、リベラルな人が多いので政策協定できるはずです。 「大きな政府」に舵を切れ 田原 実は、両党の政策は大差がない。これはこれで問題ですね。二大政党なのに、選択肢が不明確になっている。 榊原 ですから私は、民主党は積極財政で民主党カラーを明確に出せばいいと思うんですよ。子ども手当も全額支給する。高校の授業料無償化も大学にまで拡大する。そのためには「大きな政府」にしなければならないと、はっきり言えばいい。財源は先ほど言ったとおり、当面は国債の発行で賄えるんですから。 田原 民主党は「大きな政府」を公約にしたくても、世の中の反発が恐くて言えないんでしょ。 榊原 「大きな政府」とは大きな国家予算を持ち、公的負担の大きい政府であり、市場に大きなシェアを持つことから民間の経済成長を阻害するとして批判され続けましたから、確かに政治的には言い出すタイミングが難しいでしょう。私は政治家ではないから平気で言えるけど。 田原 特に小泉政権以降、「小さな政府」を志向した規制緩和、自由競争によって格差が拡大し、働いている人の最低賃金が生活保護を受けている人の受給額より少ないという、おかしな事態になっている。最低賃金の人とは、すなわち若者ですね。 榊原 日本の福祉は年金や医療、つまり年寄りのほうしか向いていない。若年層に対する福祉が軽視されてきました。日本は「小さな政府」のままで格差の拡大を許容するのか―竹中平蔵さんはそれでいいという考え方でしょう。 それとも教育や出産、育児に予算を投入して、若年層に対する福祉を拡充し、格差を縮めるのか。それをやるには「大きな政府」しかないわけですが、どちらを選ぶのかということです。 何かを決断したくても、政権基盤が弱くては・・・ 田原 「大きな政府」にするということは、当然ながら国民が負担する税金が増えることになる。 榊原 はい。ただ、日本は法人税は先進国のなかではかなり高いのですが、国民の租税負担率は21.5%です。アメリカが26%、イギリスが38.5%、フランスが38%ですから、先進国のなかではわりと低いほうなんですよ。 田原 アメリカは「小さな政府」、一方ヨーロッパは「大きな政府」ですね。 榊原 アメリカはまさにアメリカンドリームの国で、格差が大きくてもそれを許してしまうイデオロギーですから「小さな政府」でいいんです。しかし、日本にそうしたイデオロギーはないでしょう。 田原 日本は伝統的に、競争より平等を重んじる国ですからね。 榊原 ええ。ところが、メディアはこぞって「小さな政府」でなければダメだと言っている。 田原 官僚叩きと「大きな政府」批判だ。 榊原 民主党も当初はヨーロッパ型の「大きな政府」を志向していたんですがねえ・・・。 田原 メディアや世論を恐れてどんどん言うことが後退し、何をやりたいんだかわかんなくなっている印象ですね。 榊原 「モノからヒトへ」を謳うのであれば、ここではっきりと格差の縮小、若年層への福祉の拡大のために「大きな政府」へ舵を切ると宣言すべきです。それこそが政権交代による新たな国づくりの第一歩だと思いますよ。
ご訪問ありがとうございます。ブログランキングに参加しています。皆様の応援が励みになっています。ここ→
を押すと一票投票頂けます。
最近はミクシィに日記を書くこともなく、ただただ文章を読むことだけで終わってしまっている。 一応、読んだ文章で興味深い内容などは、「はてなブックマーク」で保存しているんだけど、その保存した記事が果たしてどれだけの期間、アーカイブとして各サイトでアクセスできるのか不明なんだよね。 例えばブックマークしておいて、後で読みたいと思っても、その記事はとっくに削除されていることもありえる訳で、そう考えると、「はてな」で知のデータベースを気取って情報をいくら集めても、いずれ消え行く情報ってことも十分あり得るのだよ。 ということで、このブログの方針を知のデータベース、気になる記事のアーカイブとして利用しようかなと方針を変えようと思います。 扱う分野は、政治・経済・投資・国際関係から、野球・アメフト・ラグビー・ゴルフ、その他諸々の情報をお借りしてコピー・ペーストしてしまうつもり。著作権に絡むかな?? 利益目的の二次利用でなければ、問題ないと思うのだが。。。 お咎めがあれば、ページを非公開にしますのでよろしく。
ご訪問ありがとうございます。ブログランキングに参加しています。皆様の応援が励みになっています。ここ→
を押すと一票投票頂けます。
ブログの最終更新日を見たら、なんと10月だとは驚き。 サボりまくっていました。 たまに、ブログを覗きにきている友人のみなさん、 毎日元気にマレーシアで生活しております。 近況としては、最近ゴルフを始めました。 はじめてみると、中々面白いものですね。 スコアは、まだ140前後ですけど、 そのうち、伸びると思います。 このブツブツブログも、アップしていかなければなぁ。。
ご訪問ありがとうございます。ブログランキングに参加しています。皆様の応援が励みになっています。ここ→
を押すと一票投票頂けます。
最近、ミクシィよりも勝手にあれこれ自由に書けるブログを 見直してみようと思っている。 デザインも自由に出来るし、デザインを変更する作業が 結構好きだったりするのである。 先日、日本への帰省の際、Dreamweaverというソフトのテキストを 買ったので、デザインを勉強してみようと思っている。 ソフトはどうしたかって? マレーシアでは、ほぼただ同然で、数万円のソフトの海賊版が手に入るのですよ。 ということで、英語版のソフトではあるけど、勉強がてら、 ブログのデザインを変更してみようと思う。 ミクシィに時間を割くのはしばらく減らそうかなと思っている。。。
ご訪問ありがとうございます。ブログランキングに参加しています。皆様の応援が励みになっています。ここ→
を押すと一票投票頂けます。
先ほど、マレーシアでも見ることの出来るNHKで、 興味深い番組を放送していた。 内容は自動車産業の新しい動き、特に電気自動車へ 将来移行する可能性が高いということで、 世界中、特に中国の新興企業とアメリカのベンチャーキャピタル投資家を 引き合いに出し、どのようなアプローチをしているかを紹介する番組。 その中で、興味深いTerm「スマートグリッド」なる言葉を耳にした。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%83%88%E3%82%B0%E3%83%AA%E3%83%83%E3%83%89#.E6.97.A5.E6.9C.AC 時代は確実に電気自動車へと向かっているように思える。番組内で、 日産はハイブリッドではなく、電気自動車一本で投資を行っているという。 トヨタの作るハイブリッド車は、今後、同じ土俵で果たして生き残れるのだろうか? 今後の自動車産業の動きに注意して見ていく必要がありそうだ。
ご訪問ありがとうございます。ブログランキングに参加しています。皆様の応援が励みになっています。ここ→
を押すと一票投票頂けます。
| HOME |
次ページ≫
|